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カニエ・ナハさんのためし書き #みんなのためし書き

毎週さまざまなジャンルのクリエイターにFONTPLUSためし書きを自由に使い倒してもらう、連載『みんなの「ためし書き」』。今週は、詩人のカニエ・ナハさんが参加してくれました。
一つひとつの言葉が繊細に佇むためし書き。カニエさんは詩人・西脇順三郎の詩作からテキストを引用し、そこに登場する画家の名前の付いたフォントを選んで作品を作ってくれました!

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Q. なにをためし書きしましたか?
A.近年、かつてノーベル文学賞にもノミネートされていたことが明らかになった詩人・西脇順三郎の何篇かの詩からの引用。

Q. それをためし書きしたのはなぜですか?
A.西脇順三郎の詩には、古今東西たくさんの美術家の名前が出てくるのですが、今回、西脇詩にも出てくる美術家の名前が冠されたフォントを使って、その画家の名前が出てくる詩行をいくつかピックアップしてみました。

Q. どんな点を気にして書きましたか?
A.フォント名に導かれて選択しているため、普段は使わないフォントで、扱い慣れずなかなかむずかしかったですが、チャレンジとなりおもしろかったです。結果、架空の展覧会フライヤーのようなイメージになりました。

Q. どんな流れで組み立てていきましたか?
A.まず、画家名の冠されたフォントをピックアップする。次に、その画家名の出てくる西脇順三郎の詩行をピックアップする。サイズやウェイト、字間などを、それぞれの詩行にふさわしいと感じるものに近づけつつ、同一面上の他の詩片とのバランスを見つつ……、という感じでした。カラーリングは、もともとは画家を目指していた、西脇自身の絵画を参照しつつ(セザンヌやローランサンに似ている気がしています)、彼の代表的な絵画の色彩設計をイメージして。

今回のためし書きのURL:
https://fontplus.jp/tester/share.php?key=RExBJwOha2M8jD-kMaPMhlLJlpWSE4gpN099KCFzwzfC1cOuRWygaPTTGoT-SCbh
※ご覧いただく環境によっては、画面サイズ等の理由で掲載のキャプチャと一部違いが見られる場合がございます。

使用したフォント:
セザンヌ 
・「蒼白なるもの/セザンの林檎」|「二九」〈詩集『旅人かへらず』(東京出版)〉 より
・「苦しんだ人間はセザンヌの壺のように/美しい」|「最終講義」〈詩集『豊饒の女神』(思潮社)所収〉より
クレー
・「パウル クレー パウル クレー/最終のインク/最終の形/最終の色」|「Ⅰ」〈詩集『失われた時』(無限刊)〉より
・「詩人は葡萄畑へ出かけて/こい葡萄酒をただでのむだろう/クレーの夜の庭で満月をみながら」|「Ⅰ」〈詩集『失われた時』(無限刊)〉より
グレコ
・「女の黄色い手紙は/終極の変化へ/の発達の/エル・グレコ―の/マジェンタへ」| 「Ⅰ」〈詩集『えてるにたす』(昭森社)〉より
・「道端に/棒の先にふろしき包みを/つけたグレコに似た男が/金のことを心配しながら/休んでいる風景が/野原を横切る」|「醮」〈詩集『鹿門』(筑摩書房)所収〉より
※()は初版の版元を記載。西脇順三郎詩集(岩波文庫)では上記の詩のうち、「醮」を除く五篇が収録されています。

カニエ・ナハ

プロフィール写真2020年(カニエ・ナハ)

詩人。2010年「ユリイカの新人」としてデビュー。2016年、詩集『用意された食卓』で第21回中原中也賞、第4回エルスール財団新人賞。他の詩集に『馬引く男』『IC』『なりたての寡婦』『CT』等。2017年には、NHK制作のドラマ『朗読屋』に出演、東京都現代美術館の企画展「MOTサテライト」に出展。2018年には米アイオワ大学、フィンランドの詩祭に招聘され、朗読パフォーマンス等を行う。2019年度より東京藝術大学大学院映像研究科主催RAM Associationのフェローメンバーとして詩と言葉や本作りをめぐるワークショップ等を行っている。2020年「さいたま国際芸術祭2020」出展、「読売新聞」詩の季評欄担当。慶應義塾大学アート・センター主宰「西脇順三郎研究会」のメンバーとしても活動している。https://nahakanie.wixsite.com/kanienaha-web
Twitter: @naha_kanie

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